不妊治療と仕事の両立は想像以上に大変だった話

「仕事は休めない。でも治療も諦めたくない」
そんな葛藤を抱えながら、不妊治療と仕事の両立に向き合った私の実体験をまとめました。

スケジュールが不安定な治療、周囲に言い出しづらい空気、気を遣いすぎて疲弊した日々…。
同じように悩んでいる方に、「一人じゃないよ」と伝えたくてこの記事を書いています。

不妊治療と仕事のスケジュール調整の難しさ

治療を始めたばかりの頃は、「なるべく迷惑をかけずに頑張ろう」と思っていました。
通院の予定が分かると、すぐに有給を申請したり、医師に「次の通院はいつ頃になりそうか」とできるだけ詳しく聞いたりして、仕事に支障が出ないよう工夫していました。

でも、不妊治療はスケジュールがとても流動的。
タイミング療法の段階でも、排卵のタイミングによって通院日が前後しますし、人工授精や体外受精に進むと、急な通院や処置が必要になることも。

「明日、来てください」と急に言われたり、逆に「排卵がずれたので来週に延期」となって、せっかく取った有給が無駄になったこともありました。

職場では直属の上司にだけ、不妊治療をしていることを伝えていました。
最初は「協力するよ」と言ってくれていたのですが、いざ急な休みや早退が増えてくると、少しずつ態度に変化が。

表面上は理解を示してくれていたけれど、「今月もまた？」といった空気が伝わってくるようになり、だんだんと自分から相談しづらくなっていきました。

同僚には治療のことは言っていなかったので、「なんであの人だけよく休むの？」と思われていないか、常に不安と後ろめたさを感じていました。

このままでは心も体ももたない。
そう感じて、私は勤務形態を変更することにしました。

最終的には、フルタイムから時短勤務に切り替え、通院しやすい時間帯に調整。
収入は減ってしまったけれど、「通院を無理に我慢しなくていい」というだけで心が軽くなったのを覚えています。

もちろん、正直に言えば「もっと理解のある職場だったら」「言わなくても配慮してもらえる社会だったら」と思ったこともあります。

不妊治療は、治療スケジュールが固定できず、心身の負担も大きいもの。
それなのに、まだまだ「周囲に言いにくい」「我慢するしかない」と感じている人が多いと感じます。

実際、私も「不妊治療をしている」と職場でオープンにすることになんとなくネガティブなイメージを持ってしまっていました。

でも、それって本当はおかしいことですよね。

治療を受けている人が、後ろめたさを感じる必要なんてない。
もっと、不妊治療に対して偏見や誤解のない社会になってほしいと、心から思います。

もし、あなたが今まさに仕事と不妊治療の両立で悩んでいるなら、どうか一人で抱え込まないでください。
「両立できないから自分がダメなんだ」なんて、絶対に思わないでほしい。

誰だって限界があります。
周囲の目を気にして無理を続けてしまうと、心が壊れてしまいます。

あなた自身が安心して治療に専念できるように。
そのための選択や働き方の見直しは、決して「逃げ」ではなく、自分を守るための「大切な判断」だと思います。