不妊とは?
妊娠を望む健康な男女が避妊をしないで性交しているにも関わらず1年以上妊娠しない状態を「不妊」と呼びます。
年齢や身体の状態によって、妊娠のしやすさは変わるため、一概に「この期間が過ぎたら不妊」と決めつけることはできませんが、目安として知っておくと良いかもしれません。
不妊の原因とは?
不妊の原因は、女性側・男性側のどちらか一方にある場合もあれば、両方に原因がある場合、あるいは原因が特定できないケースもあります。
【女性側の原因】
排卵因子
生理周期が乱れたりして卵子がうまく排卵されない状態
(例:多嚢胞性卵巣症候群や過度なダイエットなど)
卵管因子
卵管が詰まっていたり、癒着して精子や受精卵が通れない状態
卵管因子は女性側の原因の中でも最も多いと言われており、30〜40%を占めると言われている
(例:クラミジア感染や子宮内膜症など)
子宮因子
子宮になんらかの異常があり、受精卵が着床しにくくなる状態
(例:子宮内膜症や子宮筋腫など)
頚管因子
頚管粘液が少なく精子が子宮内に入りづらくなる状態
(例:頚管炎や頚管粘液産生不全など)

【男性側の原因】
造精機能障害
精子を上手に造ることができない状態
(例:無精子症や精子無力症など)
精路通過障害
精子の通り道が狭かったりして精子が外に出ない状態
(例:閉塞性無精子症や逆行性射精など)
性機能障害
勃起や射精がうまくできない状態
(例:勃起障害や射精障害など)
【原因不明の不妊】
医療の発達により多くの原因がわかるようになりましたが、それでも10〜25%は原因が特定できないと言われています。
原因不明の不妊は年齢が上昇すると割合が高くなると言われており、これは卵子や精子の機能が加齢により低下していることが考えられるため、早い段階で検査・治療を行うことが求められています。
まとめ
厚生労働省の調査によると、不妊を心配したことがある夫婦は全体の39.2%。さらに、実際に不妊の検査や治療を受けたことがある夫婦は、2021年時点で「4.4組に1組」という結果が出ています。
このデータからも分かるように、妊娠や出産に不安を感じたり、治療を受けたりすることはごく自然なことです。誰にでも起こりうることであり、決して恥ずかしいことではありません。
まず大切なのは自分たちの体の状態を知ることです。
「いつから治療を始めるべきか?」「どの方法が自分たちに合っているか?」「そもそも原因は何か?」――それらは、検査や情報を通して知ることで初めて見えてくるものです。
不妊について知ることは、自分たちの人生をどう歩んでいくかを考える、大切なきっかけにもなります。


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